リリース(2023年12月20日)からまだ2年と経っていない、音楽生成AIの『Suno AI』。
ユーザー数は明かされていませんが、2024年のAIランキングで上位の5位にランクインするなど、AIクリエイターの中ではかなりメジャーになってきている音楽生成AIです。

私も実際にSunoユーザーとして、これまで700曲以上の曲を生成してきました。
下記はSuno AIに関する記事です。




まだまだガチャ要素が強いSuno AI
これまで700曲以上の曲を作ったとしても、その中で自分の納得のいくような「この曲を人に聴いてもらいたい…!」と思うようなものは30曲程度しか作れていません。
実際、私のSunoアカウントで公開しているのはおよそ30曲です。
それはなぜか?
①発音ミスがわりとある
②プロンプトを練ってもまだガチャ要素が強い
・歌い手の声質
・メロディ
・2人以上の歌い手のパート割 など
が主な理由です。
②に関しては、ひたすら気に入った曲が出るまで、ガチャを回すごとく生成し続けるしかありません。その際は試行錯誤してプロンプトも修正を加えたりします。
苦労して苦労して、そして気に入った曲調・メロディ・歌い手の声質に出会ってできた曲!そこでまさかの「発音ミス」が……この時の絶望感は半端ありません。
しかも3~5分ある曲のたったワンフレーズの発音ミス。
このミスを修正してまた一からお気に入りの曲調・メロディ・歌い手の声質に出会えるのは、一体いくつ先の曲なんでしょうか?
そういった経緯で、作ってきたけどお蔵入りになった曲がいくつもありました。
「Cover機能」があることに気づく
Suno AIの有料プランに登録したのは2回目の私ですが、いつの間にか(以前にあったかも分からない)「Cover機能」があることに気づきました。
下記の画像にように表示させることができます。

カバーしたい曲の項目で右クリック、もしくは「…」メニューから「Remix/Edit(リミックス/編集)」そして「Cover(カバー)」を選択します。

すると曲を作成する画面に移り、原曲の「メロディ」「歌詞」「スタイル」「曲名」が出てきます。この時点で「曲名」には(Cover)が付いています。
よって上記のようにCover機能を使えば、原曲のメロディをもとに、歌詞を変えたり、曲のスタイルを変えたりできるということです。
発音ミスから1カ月近く捨て曲になっていた曲をよみがえらせてみた
この機能を使って、下記のような発音ミスによるボツ曲を、編集してよみがえらせてみました。
この曲はメロディや声質などがとても気に入っていましたが、2番のサビの部分で1か所発音ミスがありました。
🎧原曲:灯火(Original)
[Intro]
(Instrumental)
[Verse 1]
この静寂の底で 響く声
傷つくたびに 強くなれた
崩れた景色 涙で滲んで
でも今 歩く理由を抱いてる
[Bridge]
君がくれた 最後の言葉
夜を裂いて 胸を焦がした
信じた日々は もう戻らないけど
あの温もりは 消せないまま
[Chorus]
ここから始まる 新しい鼓動
壊れた夢の先に 希望を描いて
何度倒れても 瞳(め)は逸らさない
未来をこの手で 掴み取りたい
[Inter]
(Instrumental)
[Verse 2]
降りしきる闇が すべて隠しても
心の奥に 君は生きてる
悲しみの海を 泳いだ夜も
小さな勇気を 灯していた
[Bridge]
誰にも見えない その痛みさえ
意味があると 信じられるなら
孤独の中に 揺れる光を
抱きしめながら 進めるはず
[Chorus]
終わりのない旅 導く衝動 ←発音ミス
砕けた誓いさえも 糧に変えて
傷が語る歌 胸に刻み
決して譲れない 願いを放つ
[Inter/Solo]
(Instrumental with strings + lead guitar)
[Outro]
微かに残る かつての面影
それでも私は もう迷わない
静かに揺れる その記憶だけが
今も心に 燃えている
[Ending]
(Instrumental)
下記は、実際にカバーした曲です。
曲のスタイルは一切変更せず、発音ミスした箇所の歌詞を「ローマ字」にすることで、しっかりと歌ってもらえます。
🎧カバー曲:灯火(Cover)
[Intro]
(Instrumental)
[Verse 1]
この静寂の底で 響く声
傷つくたびに 強くなれた
崩れた景色 涙で滲んで
でも今 歩く理由を抱いてる
[Bridge]
君がくれた 最後の言葉
夜を裂いて 胸を焦がした
信じた日々は もう戻らないけど
あの温もりは 消せないまま
[Chorus]
ここから始まる 新しい鼓動
壊れた夢の先に 希望を描いて
何度倒れても 瞳(め)は逸らさない
未来をこの手で 掴み取りたい
[Inter]
(Instrumental)
[Verse 2]
降りしきる闇が すべて隠しても
心の奥に 君は生きてる
悲しみの海を 泳いだ夜も
小さな勇気を 灯していた
[Bridge]
誰にも見えない その痛みさえ
意味があると 信じられるなら
孤独の中に 揺れる光を
抱きしめながら 進めるはず
[Chorus]
終わりのないtabi 導く衝動 ←ローマ字で修正
砕けた誓いさえも 糧に変えて
傷が語る歌 胸に刻み
決して譲れない 願いを放つ
[Inter/Solo]
(Instrumental with strings + lead guitar)
[Outro]
微かに残る かつての面影
それでも私は もう迷わない
静かに揺れる その記憶だけが
今も心に 燃えている
[Ending]
(Instrumental)
原曲とカバー曲を聴き比べてみて
実際に曲を聴き比べてみてもらえれば、メロディや歌い方はおよそ8~9割は似ていて、若干違うかな?と思うくらいでした。
私はどちらかというと原曲のほうが好きですが、ほぼ曲調などが変わらずに発音ミスが直っているので、概ね満足という感じです。
これがまた一から新しいメロディでお気に入りが出てくるまでひたすら作成ボタンをクリックし続けるより、Cover機能で修正して仕上げるほうが圧倒的に効率的だと感じました。
つまり「曲のポテンシャルはあるのに、発音や細部の不具合でボツにしてしまう」ケースが大幅に減る「わけです。
さらに便利なのは、発音修正だけでなく歌詞そのものを大胆に書き換えることもできる点。
例えば同じメロディを使って季節ごとの歌詞に差し替えたり、アイドルキャラ用・ゲーム用など用途に合わせたリメイクも可能です。
また、曲調をロックからバラードへ、シンセ多めのエレクトロ風へ…とスタイルチェンジも簡単。
原曲の良さを残したまま、新しい作品として再生できるのはかなり強力な武器だと思います。
これまで「捨て曲」扱いしてきた楽曲が、Cover機能によってリサイクル資産に変わる。
これはSuno AIを続ける上で、モチベーションを保つ意味でも大きいメリットでした。
これからの活用アイデア
- ボツ曲をCoverで再生 → アルバムの1曲として復活
- 歌詞を変えて「別キャラクター」や「二次創作」用に流用
- メロディをそのままに、ジャンルだけ変えて別世界観を作る
- 原曲とCoverを並べて公開し、比較コンテンツとしてSNSで展開
こうした使い方を広げれば、ひとつの曲から複数の作品を派生させられるので、創作の幅も広がっていくと思います!
まとめ
Suno AIは、まだまだガチャ要素が強く、一度気に入った楽曲に出会っても発音ミスや細部の不具合で泣く泣くボツにしてしまうことも少なくありません。
ですが今回紹介した「Cover機能」を使えば、そうした”惜しい曲”を再び作品として蘇らせることができます。
発音の修正だけでなく、歌詞の差し替えやスタイル変更まで可能なので、同じメロディから派生作品を生み出せるのも大きな魅力。
結果として「捨て曲」が「リサイクル資産」へと変わり、クリエイターとしてのモチベーションを保ちやすくなります。
これからは、ボツ曲を救うためだけでなく、ひとつの楽曲を多方向に展開する“創作の武器”としてCover機能を活用するのが、新しいSuno AIの楽しみ方になりそうです。

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