2025年5月1日にモデル「v4.5+」がリリースされ、また同年9月23日にも最新モデルである「v5 Pro Beta」がリリースされたSuno AI 。
10月1日にはOpen AI社から動画生成モデルの「Sora2」、10月15日はGoogleから「Veo 3.1」がリリースされるなど、生成AI界隈は激動の2025年となっています。恐ろしいです。
そんな中、進化が絶えないSuno AI にも、便利な機能が次々と追加されています。
その中で私が最もよく使っている機能が「Remaster(リマスター)」と「Cover(カバー)」機能。
本記事ではこの機能の特徴と使い方、どうやって音楽生成に活用するかを生成例も挙げながら解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください!

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Remaster(リマスター)機能とは
Remaster(リマスター)機能は、これまで生成された楽曲を最新のモデル(v4以降)を使って再生成し、音質を向上させたり、微妙なアレンジを加えたりする機能です。
主に下記の項目を向上させることが期待されています。
- 音質の向上:以前のバージョン(v3.5など)で生成された楽曲の音質を、最新モデルの高音質技術でリフレッシュできる。楽器音の明瞭度が上がり、ボーカルの表現力も強化される。
- アレンジのバリエーション:通常の音楽制作におけるマスタリングとは異なり、SunoAIのリマスターは、楽器の音色やボーカルの歌い方、演奏の細かなニュアンスなどを再生成してくれる。そのため、全く同じ曲ではなく、元の雰囲気を保ちつつ、少し違ったアレンジのバージョンを複数作成できる。
- 変化の度合いを調整:最新のバージョン(v5以降)では、「Variation strength」という設定で、変化の度合いを3段階(Subtle, Normal, High)で調整できるようになった。
・Subtle(わずかな変化): 元の曲の雰囲気をほとんど変えずに、音質を向上させたい場合に適している。
・Normal(通常): デフォルト設定。元の曲の構成を維持しつつ、楽器の音色などに軽微な変更を加える。
・High(大きな変化): メロディーラインやボーカルの歌い方まで大きく変更され、新しいアレンジが生まれる可能性がある。
これらの特徴を使って、曲をどうアレンジできるかというと
- 古い楽曲のアップグレード:v3.5などの旧モデルで作成した、音質に不満のある楽曲をv4以降の高音質バージョンに作り直せる。
- 音質や構成の微調整:曲の全体的な構成は気に入っているものの、音のバランスやミックス、ノイズなどが気になる場合に、改善を試みることができる。
- 思わぬアレンジの発見:元の曲とは異なる、予期せぬクリエイティブなアレンジが生まれることもある。
- ⑤Extend機能の補完:Extend(曲の延長)で追加した部分が不自然な場合、リマスターで全体をなじませることができる。
原曲の質を上げたいときにはもってこいの機能ですね!
Remaster(リマスター)機能の使い方
Remaster機能を使うためには、編曲したい曲(原曲)の三本線の項目で右クリック、もしくは「…」メニューから「Create(作成する)」そして「Remaster(リマスター)」を選択します。
すると下記のように編集画面が出てきます。

選択肢には下記の意味があり
【Model(モデル)】
v4/v4.5+/v5 (最新モデル) の3つから選択可能
【Variations strength(バリエーションの強さ)】
Subtle (弱い)/Normal (普通)/High (強い) の3つから選択可能
原曲からあまり変えたくないときはバリエーションの強さが「Subtle (弱い)」をおすすめします。
Remaster(リマスター)を使った比較曲
では実際に、Remasterを使うことでどう曲が変化するのか見ていきましょう!
生成例①:CHAIN
まずは下記が原曲です。
原曲の段階で、曲調もメロディーもかなり気に入っていました。
ただ、ギターやベースの音がややぼやけて聴こえたので、なんとか音質を改善できないかな…と調べていた中で出てきたのが、「Remaster(リマスター)」機能を使うという方法。
今回の曲では下記のようにModel(モデル)を「v5」、Variations strength(バリエーションの強さ)を「Subtle」で選択しました。

できたのが下記になります。
どうでしょうか?ギター・ベース・ドラム・ボーカルどの音をとっても、よりクリアに聴こえるのではないかと思います。
とくにヘッドフォンやイヤホンなどを使って聴くと、それぞれの楽器とボーカルの音に立体感があって、AIが作ったとは思えないですね。
生成例②:Break Out
こちらの楽曲も生成例①と同様に、Model(モデル)を「v5」、Variations strength(バリエーションの強さ)を「Subtle」で生成してみました。
曲調やメロディーをほとんど損なうことなく、楽器やボーカルの音質が鮮明になっているのがわかります。
Cover(カバー)機能とは
Cover(カバー)機能とは、既存の楽曲を別のスタイルに再アレンジできる機能です。
元のメロディーや歌詞は保ちつつ、ロックからジャズ、ピアノ弾き語りからオーケストラなど、全く異なるジャンルや雰囲気に変更できますよ。
これは、生成した曲を別のスタイルで作り直したい場合に便利です。
下記は、実際にCover機能を使って「歌詞の発音間違い」を直してみた記事になります。

Cover(カバー)機能の使い方
Cover機能を使いたいときは、下記のように操作してください。
カバーしたい曲の項目で右クリック、もしくは「…」メニューから「Remix/Edit(リミックス/編集)」そして「Cover(カバー)」を選択します。

すると曲を作成する画面に移り、原曲の「メロディ」「歌詞」「スタイル」「曲名」が出てきます。
この時点で「曲名」には(Cover)が付いています。

よって上記のようにCover機能を使えば、原曲のメロディをもとに、歌詞を変えたり、曲のスタイルを変えたりできるということです。
Cover(カバー)を使った比較曲
では実際に、Cover機能を使うことでどう曲が変化するのか見ていきましょう!
生成例①:夜空のダンス
まずは、2024年の6月16日に「v3.5」モデルで生成した楽曲をCover機能を使ってリメイクしてみました!

1年ちょっと前なのに、もうだいぶ大昔に作った気持ちです。それくらい生成AIの進化は速い…!!!
曲と歌詞は下記です。歌詞を作ったのはおそらくChatGPTだったと思います。
歌詞(原曲)
[Verse]
音楽が流れ
心が揺れる
君の手握って
夜空へ飛び立つ
[Verse 2]
街の光が
二人を照らす
星の下で踊る
忘れられない夜
[Chorus]
一緒に踊ろう
忘れられない夜
音に身を任せ
君と夜空のダンス
[Verse 3]
リズムに乗って
世界を忘れて
鼓動が響くよ
君とのダンスフロア
[Bridge]
夢のような時間
二人だけの世界
音に包まれて
君だけ見つめて
[Chorus]
一緒に踊ろう
忘れられない夜
音に身を任せ
君と夜空のダンス
そうそう!1年前のSuno AI で作った曲って、電子っぽいボーカルとサウンドだったんですよ。
ではCoverで生成した曲が下記です。
モデルは「v5」を選択。あとは原曲と歌詞・構成を変えてみました。変更箇所は太文字です。
歌詞(Cover曲)
[Intro]
(Instrumental)
[Verse]
音楽が流れ
心が揺れる
君の手握って
夜空へ飛び立つ
[Verse 2]
街の光が
二人を照らす
星の下で踊る
胸がときめく夜
[Chorus]
一緒に踊ろう
忘れられない夜
音に身を任せ
君と夜空のダンス
[Intro]
(Instrumental)
[Verse 3]
リズムに乗って
世界を忘れて
鼓動が響くよ
君とのダンスフロア
[Verse 4]
街の光が
二人を照らす
星の下で踊る
胸がときめく夜
[Chorus]
一緒に踊ろう
忘れられない夜
音に身を任せ
君と夜空のダンス
[Intro/solo]
(Instrumental)
[Bridge]
夢のような時間
二人だけの世界
音に包まれて
君だけ見つめて
[Chorus]
一緒に踊ろう
忘れられない夜
音に身を任せ
君と夜空のダンス
[End]
(Instrumental)
どうでしょうか?v3.5時代のAIの電子音っぽい感じから、今風のエレクトロニクス系のポップスになっているかと思います。
歌詞で追加した部分や間奏も、自然に表現してくれていますね。
これなら昔の曲の原型を残したまま、新しい曲を作ることも可能です!
生成例②:アイスクリームサマー
続いて、2024年の6月24日に「v3.5」モデルで生成した楽曲をCover機能を使ってリメイクしてみました!

歌詞(原曲)
1番:
青い空 きらめく海
みんなで集まる午後
手に持つアイスクリーム
溶け出す甘い時間
君と笑いあう
風に乗るメロディ
この瞬間を切り取って
ずっとここにいたいわ
サビ:
アイスクリームサマー
キラキラ輝く季節
君と過ごすこの夏が
一番の宝物
アイスクリームサマー
忘れられない思い出
太陽の下で
甘い夏物語
2番:
砂浜に描く未来
寄せては返す波
君と手をつないで
心まで満たされる
遠くに見える虹
二人だけの秘密
この瞬間を閉じ込めて
大切にしたいよ
サビ:
アイスクリームサマー
キラキラ輝く季節
君と過ごすこの夏が
一番の宝物
アイスクリームサマー
忘れられない思い出
太陽の下で
甘い夏物語
ブリッジ:
夜になれば星が瞬く
君と見上げる空
心が溶けてく
この夏が終わらないように
サビ:
アイスクリームサマー
キラキラ輝く季節
君と過ごすこの夏が
一番の宝物
アイスクリームサマー
忘れられない思い出
甘い夏物語
アウトロ:
アイスクリームサマー
君とずっと一緒に
この夏を
永遠に感じていたい
私自身メタタグの使い方もイマイチよくわかっていないし、曲は発音があやしかったり音質がイマイチだったりしますね。
これらを改善するためモデルを「v5」、歌詞を変えずにメタタグを変更して生成してみました。
歌詞(Cover曲)
[Intro]
(Instrumental)
[Verse]
青い空 きらめく海
みんなで集まる午後
手に持つアイスクリーム
溶け出す甘い時間
[Pre-Verse]
君と笑いあう
風に乗るメロディ
この瞬間を切り取って
ずっとここにいたいわ
[Chorus]
アイスクリームサマー
キラキラ輝く季節
君と過ごすこの夏が
一番の宝物
アイスクリームサマー
忘れられない思い出
太陽の下で
甘い夏物語
[Inter]
(Instrumental)
[Verse]
砂浜に描く未来
寄せては返す波
君と手をつないで
心まで満たされる
[Pre-Verse]
遠くに見える虹
二人だけの秘密
この瞬間を閉じ込めて
大切にしたいよ
[Chorus]
アイスクリームサマー
キラキラ輝く季節
君と過ごすこの夏が
一番の宝物
アイスクリームサマー
忘れられない思い出
太陽の下で
甘い夏物語
[Inter/solo]
(Instrumental)
[Bridge]
夜になれば星が瞬く
君と見上げる空
心が溶けてく
この夏が終わらないように
[Chorus]
アイスクリームサマー
キラキラ輝く季節
君と過ごすこの夏が
一番の宝物
アイスクリームサマー
忘れられない思い出
甘い夏物語
[Outro]
アイスクリームサマー
君とずっと一緒に
この夏を
永遠に感じていたい
[End]
(Instrumental)
歌詞は以前とは変えずに、「v5」で生成することで発音のミスなどもしっかり直っていますね。
🎧生成例③:NeoPulse
最後は、2025年の7月27日にモデル「v4.5」で生成した楽曲です。

歌詞(原曲)
[Intro]
(Instrumental)
[Verse]
ヴァーチャルな夜に灯る light
響きだすのは ネオンのbeat
静寂を破るシグナルで
僕らのときが動き出す
[Bridge]
交差する コード の向こう
君の存在、real or fake
揺れる視線に確信を
今すぐ link したい
[Chorus]
心の パルスが走る(走る)
未来を超えて君を呼ぶ
消えない夢、データにして
永遠に刻もう one love(one love)
[Inter]
[Verse]
どれだけ距離があっても
この声は届くはずさ
仮面越しの emotion
剥がせるなら信じてよ
[Bridge]
曖昧な世界の中で
確かなのは君の name
記憶に burn する微笑み
零れ落ちる system error
[Chorus]
ネオンな beat に任せて(任せて)
僕らの truth を映し出せ
シンクした鼓動で進もう
never let go, 終わらない story
[Inter/solo]
(Instrumental)
[Verse]
誰もが仮初の dreamer
だけど君だけは vivid
code で紡ぐ love の形
壊れかけても諦めない
[Bridge]
繰り返す fake reality
それでも手を伸ばす
touch したぬくもりだけが
本当の answer になる
[Chorus]
心の パルスが走る(走る)
未来を超えて君を呼ぶ
消えない夢、データにして
永遠に刻もう one love(one love)
[Outro]
もう誰にも止められない
この パルスは君のために
仮想の中でもリアルに
愛を証明し続ける
[Ending]
(Instrumental)
実は2番の部分がメタタグ通りに歌われていなく、[Verse]→[Bridge]→[Chorus] の歌詞が2行ずつズレています。
これを改善したくて、歌詞をズレた2行分を追加して生成してみました。
歌詞(Cover曲)
[Intro]
(Instrumental)
[Verse]
ヴァーチャルな夜に灯る light
響きだすのは ネオンのbeat
静寂を破るシグナルで
僕らのときが動き出す
[Bridge]
交差する コード の向こう
君の存在、real or fake
揺れる視線に確信を
今すぐ link したい
[Chorus]
心の パルスが走る(走る)
未来を超えて君を呼ぶ
消えない夢、データにして
永遠に刻もう one love(one love)
[Inter]
[Verse]
どれだけ距離があっても
この声は届くはずさ
仮面越しの emotion
剥がせるなら信じてよ
曖昧な世界の中で
確かなのは君の name
[Bridge]
記憶に burn する微笑み
零れ落ちる system error
ネオンな beat に任せて(任せて)
僕らの truth を映し出せ
[Chorus]
心の パルスが走る(走る)
未来を超えて君を呼ぶ
シンクした鼓動で進もう
never let go, 終わらない story
[Inter/solo]
(Instrumental)
[Verse]
誰もが仮初の dreamer
だけど君だけは vivid
code で紡ぐ love の形
壊れかけても諦めない
[Bridge]
繰り返す fake reality
それでも手を伸ばす
touch したぬくもりだけが
本当の answer になる
[Chorus]
心の パルスが走る(走る)
未来を超えて君を呼ぶ
消えない夢、データにして
永遠に刻もう one love(one love)
[Outro]
もう誰にも止められない
この パルスは君のために
仮想の中でもリアルに
愛を証明し続ける
[Ending]
(Instrumental)
どうでしょうか?追加した分の歌詞が自然に歌われていて、前後のメロディーも違和感なくできています。
音質や発音もかなり改善されていて、本当に歌手グループが歌っているように聴こえますね。
まとめ
Suno AIは、まだまだガチャ要素が強く、一度気に入った楽曲に出会っても発音ミスや細部の不具合で泣く泣くボツにしてしまうことも少なくありません。
ですが今回紹介した「Remaster機能」「Cover機能」を使えば、そうした”昔の曲”や”惜しい曲”を再び作品として蘇らせることができます。
発音の修正だけでなく、歌詞の差し替えやスタイル変更まで可能なので、同じメロディから派生作品を生み出せるのも大きな魅力です。
ひとつの楽曲を多方向に展開する“創作の武器”として、RemasterやCover機能をぜひ活用してみてください。












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