AI画像生成で「手が増える」「画質が悪い」「背景がごちゃつく」など、思った通りのイラストにならなくて困った経験はありませんか?
そんなときに役立つのが ネガティブプロンプト です。
ネガティブプロンプトを適切に設定すると、AIに「これは描かないで」と指示できるため、余計な要素を抑えたり、品質を安定させたりできます。
この記事では、全88種類のネガティブプロンプト をカテゴリ別に整理しました。それぞれの効果や使いどころを解説していきます。

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画質・ノイズ関連
画像全体が荒かったり、ノイズが出たり、白飛びや黒つぶれが起きると作品の完成度が下がってしまいます。
こうした問題を抑えるには「画質・ノイズ関連」のネガティブプロンプトを活用しましょう。
表にあるキーワードを使うことで、よりクリアで高品質な画像を得やすくなります。
ネガティブプロンプト | 説明 |
---|---|
worst quality | もっとも低品質を抑える |
low quality | 低品質を抑える |
normal quality | 低〜並品質の出力を避ける |
lowres | 低解像度を避ける |
out of focus/blurry/bokeh | ぼやけ・ピンぼけを抑える |
pixelated | ドット荒れ(ピクセル化)を防ぐ |
compression artifacts/jpeg artifacts | JPEG等の圧縮ノイズを排除 |
noise | 画像全体のノイズを減らす |
distortion | 形の歪みを抑制 |
washed out | 彩度・コントラスト抜けを防ぐ |
overexposed | 白飛びを防ぐ |
underexposed | 黒つぶれを防ぐ |
grainy | ザラつき |
film grain | フィルム粒状感を抑える |
over-sharpened edges | 輪郭のシャープすぎを抑える |
error | エラー |
人物の破綻・ポーズ関連
人物生成で一番多いトラブルは 手足が増える、指の数が多い、体の関節がおかしい といったアナトミーの破綻です。
ネガティブプロンプトを使えば、人体構造をより自然に近づけられます。
特に「bad anatomy」「extra fingers」「twisted body」などは必須で入れておくと良いでしょう。
ネガティブプロンプト | 説明 |
---|---|
bad anatomy | 解剖学的破綻の全般を抑える |
ugly | ひどい、醜い |
malformed | 形状崩れを抑制 |
gross proportions | バランスが大きく崩れた体型や比率 |
awkward pose | ぎこちないポーズを防ぐ |
unnatural posture | 不自然な姿勢を排除 |
extra limbs | 手足が増える異常を防ぐ |
extra fingers | 指が多い異常を防ぐ |
missing fingers | 指欠損を防ぐ |
misaligned eyes | 目の位置ずれを抑える |
crooked facial features | 顔パーツの歪みを防ぐ |
twisted body | 体のねじれ表現を抑える |
over-exaggerated muscles | 過剰な筋肉誇張を抑える |
手・腕に特化
特に「手・腕」はAIが苦手とする部位の一つ。
指の本数が多くなったり、腕が余分に生えてしまう現象がよくあります。
そうしたときには「bad hands」や「extra arms」など、部位ごとに指定できるネガティブプロンプトが有効です。
必要なときだけ追加すると安定度が上がります。
ネガティブプロンプト | 説明 |
---|---|
bad hands | 手の破綻を軽減 |
split hands | 手が分裂する現象を防ぐ |
extra hands | 余分な手の生成を抑える |
mutated hands | 変形した手を抑える |
interlocked fingers | 指が絡む破綻を抑える |
extra arms | 余分な腕を防ぐ |
bad arms | 腕の破綻を抑える |
脚・足に特化
脚や足も、手と同じように不自然に生成されやすい部分です。
「extra legs」や「bad feet」を指定することで、余計な脚が生えたり不自然な形になるのを防げます。
特に全身イラストを描く場合は必須のカテゴリです。
ネガティブプロンプト | 説明 |
---|---|
bad legs | 脚の破綻を抑える |
split legs | 脚の分裂を防ぐ |
missing legs | 脚欠損を防ぐ |
extra legs | 余分な脚を防ぐ |
bad feet | 足の破綻を抑える |

背景・ディテール関連
背景がごちゃごちゃしてメインキャラが埋もれてしまうことはありませんか?
そうしたときは「busy background」や「cluttered scene」などを使って、不要な情報を整理しましょう。
また、「text」「watermark」「signature」などを入れることで、余計なロゴや透かしの生成も防げます。
ネガティブプロンプト | 説明 |
---|---|
busy background | 背景のゴチャつきを抑える |
cluttered scene | 不要物が多い場面を排除 |
crowded composition | 密集しすぎの構図を避ける |
over-detailed | ディテール過多を抑える |
overly complex | 画面の複雑さを軽減 |
distracting elements | 目障りな要素を消す |
unwanted objects | 不要オブジェクトを排除 |
text, watermark, signature | 文字・透かし・サインを抑制 |
logo, branding | ロゴやブランド表記を抑制 |
tiling, repeated pattern | タイル状の繰り返しを防ぐ |
split view | 画面分割表示を防ぐ |
multi view | 複数ビューの分割生成を防ぐ |
色調・テクスチャ関連
光や影、色味のバランスがおかしいと作品の雰囲気が大きく崩れます。
たとえば「oversaturated(彩度が高すぎる)」「flat lighting(平坦な照明)」などを避けると、自然で美しい発色に近づきます。
特にリアル風やフォトリアル寄りを狙う場合には必須の調整です。
ネガティブプロンプト | 説明 |
---|---|
bad lighting | 照明バランスの悪さを抑える |
flat lighting | のっぺり光を避ける |
harsh shadows | 影が強すぎる状態を抑える |
oversaturated | 彩度過多を抑える |
neon colors | 蛍光色の派手さを抑える |
color banding | 段階的な色ムラを抑える |
uneven tones | トーンのムラを抑える |
halo effect | 輪郭のハロ/白縁取りを防ぐ |
metallic sheen, reflective surfaces | 金属光沢や強い反射を抑える |
実写寄り出力で“非実写”要素を避けたい時
リアルな写真風を目指しているのに、イラスト調や人形のような質感が混ざってしまうことがあります。
その場合は「sketches」「2d」「illustration」「doll」などを入れて排除しましょう。
フォトリアルに寄せたい人には特におすすめです。
ネガティブプロンプト | 説明 |
---|---|
sketches | スケッチ風を避ける |
painting | 絵画調を避ける |
2d | 2D的表現を避ける |
illustration | イラスト感を抑える |
graphic | グラフィック調を避ける |
doll | ドール質感を避ける |
テキスト/ロゴ・モノクロ抑制・肌トラブル
作品に不要な「ロゴ」「文字」「透かし」や「モノクロ化」を避けたいときに役立つカテゴリです。
また、「skin spot」「moles」「acnes」を入れることで、顔や体の肌トラブルも防げます。
アニメ風・実写風どちらでも便利に使える万能プロンプトです。
ネガティブプロンプト | 説明 |
---|---|
watermark | 透かしを排除 |
username | ユーザー名の描画を防ぐ |
text | 文字描画を抑える |
monochrome | モノクロ出力を避ける |
grayscale | グレースケール出力を避ける |
skin spot, moles, acnes | シミ・ほくろ・ニキビを抑える |
navel | 服の上から見えるへそ表現を抑える(アニメ系で有効) |
表現・テーマ関連(避けたい内容の除外)
AIは時に意図しない暴力表現やホラー的な表現を描き込んでしまうことがあります。
また、作品の方向性によっては「セクシャルな表現」や「不気味な雰囲気」を避けたいこともあるでしょう。
このカテゴリを活用すれば、安全で意図通りの世界観を保てます。
ネガティブプロンプト | 説明 |
---|---|
weapon, gun, violence | 武器・暴力表現を排除 |
gore, blood, horror elements | 流血・グロ/ホラーを排除 |
sexual content, nudity | 過激な性的表現・裸を抑える |
angry expression, grimace | 怒り・しかめ面を避ける |
sad expression, crying | 悲しみ・泣き表情を避ける |
shocked expression, screaming | 叫び・驚愕表情を避ける |
disturbing, creepy | 不気味さを排除 |
mutated animals, hybrid creatures | 変異・キメラ動物を排除 |
uncanny, strange atmosphere | 不気味の谷的な雰囲気を抑える |
hyperrealistic, photorealistic | ※アニメ調を守りたい時に過度な写実を抑える |
nsfw(Not Safe for Work) | 性的描写、エロい表現、18禁要素 |
pubic hair | 陰部の毛、陰毛 |
nipples | 乳首 |

実際のプロンプト入力例(完全版サンプル)
ここでは「高品質なアイドル風の女性イラスト」「幻想的な森の風景」「リアルな猫の写真風」の3種類のケースで、ポジティブプロンプト+ネガティブプロンプト の組み合わせ例を紹介します。
人物の体の部位の破綻を抑えたり、画像品質を改善したり、様々な役割を果たしてくれます。
ぜひ参考にしてみてください。
例①:高品質なアイドル風の女性イラスト(アニメ調)
ポジティブプロンプト
8k, masterpiece, best quality, anime style, 1girl, solo, orange short bob hair, fluffy cat ears, idol outfit with pastel colors, big sparkling eyes, bright smile, standing on stage, colorful stage lights, vibrant and pop atmosphere
ネガティブプロンプト
worst quality, low quality, lowres, bad anatomy, bad hands, extra fingers, missing fingers, distortion, blurry, text, watermark, signature, logo, crowded composition

(指が6本ある)


以前はiPadなどを使って加筆修正していましたが、現在はネガティブプロンプトを使ってほとんど破綻なくキャラクターを作ることができています!
例②:幻想的な森の風景(ファンタジー背景)
ポジティブプロンプト
8k, masterpiece, best quality, realistic, photorealistic, lush green forest, moss-covered ground, sunlight filtering through the trees, glowing magical bubbles floating in the air, dreamlike cinematic atmosphere, highly detailed, ethereal and poetic fantasy world
ネガティブプロンプト
low quality, lowres, blurry, noise, over-detailed, unwanted objects, tiling, text, watermark, signature, monochrome, grayscale


(森の画質が粗い。ぼやけている)





低品質のものを除くネガティブプロンプトを入れれば、高品質を指定するポジティブプロンプトを抑えてトークン数を節約することができます!
例③:リアルな三毛猫の写真風(実写調)
ポジティブプロンプト
realistic, photorealistic, masterpiece, professional quality, close-up of a calico cat, detailed fur texture, soft and fluffy coat, natural lighting, vivid fur colors (white, orange, black), expressive eyes, lifelike whiskers, extremely detailed CG, sharp focus
ネガティブプロンプト
low quality, lowres, sketches, 2d, illustration, doll, bad anatomy, mutated hands, bad legs, distortion, text, watermark, skin spot, moles, acnes


(顔の輪郭が少し歪んでいる)





キャラクターの輪郭って絶妙なバランスが大事ですよね。これらもネガティブプロンプトを使って歪みを改善することもできます!
まとめ
ネガティブプロンプトを適切に設定することで、画質の安定・人体構造の改善・背景や色味の整理 など、多くの問題を防ぐことができます。
この記事で紹介した 88種類のネガティブプロンプト をうまく組み合わせて使えば、より理想に近い美しいイラストが生成できるでしょう。
特におすすめは以下の組み合わせです:
- 画質安定用:「worst quality, low quality, lowres」
- 人体修正用:「bad anatomy, extra fingers」
- 背景整理用:「cluttered scene, text, watermark」
最初は基本のネガティブプロンプトを数個入れて、徐々に必要なものを追加していくと良いです。
ぜひ参考にして、AIイラストのクオリティをさらに高めてください!
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